魔法少女リリカルなのはα's

 

1 「旅人」



ずっと1人・・・ただ1人で歩いてきた・・・。
何の目当ても無く、何をするわけでもなく、ただひたすら歩いてきた。
旅の行く先は感じるがまま。ある時は山奥に、ある時は海の上。
砂漠のような暑さも、吹雪く氷点下の寒さも、ずっと1人で。

俺に与えられているのは、きっと多分、他の同じ歳の人よりも少ない。
 異様なまでの生命力とサバイバル能力
 ボロボロの服
 10歳という年齢
 カリブラという名前
 そして、ゲーヴェルトという首飾り
ゲーヴェルトはとても役に立つ。普段は首飾りでも、時には銃になって狩りができたり、また別の時には剣になって猛獣とも戦える。
これまで生きてこられたのは、このゲーヴェルトのお陰といっても過言ではない。
そういう意味では、俺は1人ではないのかもしれない。
とにかく、俺は誰からの力も借りず、生きてきた。



今日もまた、日が暮れてきた。
食事にありつくため、海岸線に沿って、どこかいい食材がありそうな場所がないか探していた。
海へ潜ったり海岸を歩いたりして、ようやっと1人分半程度の食材を集めた。
俺は並大抵の毒にはあたらないが、一応調理しておく。
冷える夜には温かいものがいい。最近めっきり寒くなってきたからな。
それにしてももう冬か・・・しかし、ここの国の冬はまだ過ごしやすそうだ。
そんなことを考えつつ、調理は終わる。

「今日も食事にありつけることができた・・・ありがたくいただくとしよう」

明日の朝食もついでに作っておいた。明日は山の方に向かってみるかな。山菜はないかもしれないけど、虫はいそうだ。



毎日がこれの繰り返し。朝起きて食料調達、昼間に移動、夕方にまた食料調達、夜は寝る。俺にとっては手馴れたものだ。

「さて、今日の寝床を探しに行こう」

なるべく風のないところがいい。暖かいところならなお良い。
まぁ期待してないけど。

その時俺は、胸の奥にざわざわしたものを感じた。
心臓に虫がわくような、神経細胞がぴんと張り詰めたような、
ただならぬ緊張、胸騒ぎ。
同時にゲーヴェルトも鈍い光を放った。

Vorsicht!(注意してください!)》
「やっぱり・・・マズいよな・・・」

普段はあまり話すことの無いこいつが言うんだから、何か異常事態に決まってる・・・!何なんだ・・・!?
とにかく、どこかに非難すべきか。隠れる場所の多いところ・・・このあたりは住宅街しか・・・でも何の関係も無い人たちを巻き込むわけには・・・!
刹那に頭の中をよぎるが、どうやら適当な答えが見つからない。

すると、空から何かが落ちてきた。いや、降りてきた。人間・・・?
月明かりに照らされて、その人物はこう言った。

「貴様のリンカーコアをいただく・・・勝負・・・!」

 

 

 

To be continued

 

 

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